タイトル エストポリス伝記
機種 スーパーファミコン
メーカー ネバーランドカンパニー

■Review■

1995年といえばセガサターン、プレイステーションの次世代機が定着していき、SFCもまだ現役をアピールするかのように「ドラクエ6」「タクティクスオウガ」「クロノトリガー」「ロマサガ3」等名作を発売する等、今では信じられないほどゲーム業界が元気だった頃だ。

そんな頃ひっそりと目立たなく発売されたのが「エストポリス伝記2」だ。今でこそ隠れた名作扱いされているが当時は悲惨な扱いで俺は発売から数ヵ月後に480円で購入したくらいだ。しかしそんな市場的には救われなかったこのゲームだが俺はこのゲームがスーファミRPGで1,2を争う名作だと自信をもって言える。そんなエストポリス伝記の魅力を説明する。

このゲームは2なので解ると思うがエストポリス伝記の続編だ。前作はドラクエタイプのRPGでシナリオこそは良かったもののエンカウントの高さ、戦闘ではオートターゲットが無い等システム面でも不満が残る作品だった。しかし今作になってその不満は全て解消してくれた。つーかゲーム制がガラリと変わりシナリオの繋がりが無ければ続編だと思えないくらい違うゲームになっている。

フィールドの時はいたって普通のRPGなのだがダンジョンに入るとステップムーブシステムと言う大層な名前のシステムを採用している。どんな物かと言うとトルネコとゼルダを足したようなシステムだ。

これだけでは判りにくいので説明していくと、ダンジョン内ではゼルダ的なパズル要素を含んでいて、「切る」「持つ」、「押す、「スキルを使う」等の行動をしながら先に進んで行く。仕掛けは様々で非常に楽しめ作りだ。難易度も低くも無く高くも無い程ほどのバランスを保たれている。

また敵とのエンカウントは「ロマサガ」や「マザー」のようなシンボルエンカウント(キャラ同士が触れると戦闘)を採用しているが、その2作と違いこのゲームの敵キャラは自キャラが何か行動しないと動かないトルネコ(ローグ)系のシステムを採用している。このお陰でレベル稼ぎの時は部屋を行き来するだけで簡単に戦闘でき、謎解きに集中したい時には簡単に敵を避けることが出来る、しかもスキルのアローやフックショットを使えば敵が一定時間動けなくなるからエンカウントでストレスを感じることはほとんど無い。

また、シナリオに関してはこれ1を遊んでると結構ネタバレが多い。2は1の100年前の話なんだが、1の初っ端のストーリーはなんと2のラストダンジョンだ。その結果2のラストの8割は既に何が起きるかバレバレなのだ。これでは興ざめだ、と思ってたら残り2割の部分とエンディングでしっかりと涙腺がやられた。やるなネバーランドカンパニー

シナリオだけで無くキャラクターもいい感じだ。特にハイデッカ。この大馬鹿っぷりは見ていて気持ちが良い。特に好きなイベントで敵に主人公達を紹介するシーンがあるのだがその紹介の仕方がこれだ↓

「無敵のごうわん」ガイ!
「正義の剣士」マキシム!
「世紀の天才」レクサス!
「魔法の人妻」マジカル・セレナ!

ヒロインを魔法の人妻と呼ぶネーミングセンス最高だ。


他にも主人公とセレナの夫婦漫才も笑え、レクサスは変態科学者で、ガイとハイデッカの馬鹿漫才も最高だ。唯一不満があるといえば主人公が幼馴染をを選ばずヒロインとくっ付いたこと位だ。1の時点でくっ付かないのが判ってるから幼馴染の頑張りを見てるだけで辛くて辛くてしょうが無かった。またこの幼馴染が健気で…。

音楽も非常に良い。特にボス戦やフィールドの音楽が好きだ。さらにラストの曲はシナリオを非常に引き立ててくれる。非常に作品にマッチした名曲揃いだ。ちなみにサウンドトラックが発売されているが枚数が少なかったのか今では数万円を越えるのプレミア価格となっている。買えるか馬鹿!!!

この時点でシナリオ、システム、音楽の三大要素は兼ね備えているのが解ってもらえたと思うがこのゲームはこれだけでは終わらないのだ。ゲーム中盤にある古の洞窟というクリアしなくてもいいおまけダンジョンがあるのだが、これはハマリる。つーかゲーム本編そっちのけでハマる。

古の洞窟はトルネコ(ローグ)系の、ダンジョンに入るとレベルが一になりアイテムも無くなり、入る度に形の変わる99階ダンジョンのRPG版だ。当然トルネコ(ローグ)系が好きな人ならお勧めだ。ただ少し不満がある、それはダンジョン内でセーブが出来ないので99階まで行くには物凄い根気と時間と本体とアダプターの寿命を縮める覚悟が必要だ。(おそらく相当短く見積もっても5時間はかかる)

このダンジョンのせいで、俺は初プレイで本編は20時間程度しかしてないのに総プレイ時間は100時間は越えた。今でもこれをやるとどっぷり徹夜してしまう恐れあるので封印中だ。あまりに危険すぎるゲームだ。ただこのダンジョンでの目的は10個のイリスの宝を見つけることなのだが見つけたところで何も意味が無い。俺の80時間を返せ。いや十分すぎるくらい楽しんだけどさぁ…

このようにゲームの完成度は非常に高い。上記で言った様に私的にはSFCで1,2を争うRPGだ。いまなら恐らく中古で1000円以下で買えるから一度プレイして欲しい。つまらないと言われても保障は出来ないが…

実はこのゲーム3部作なのだが3は未だに発売されていない…。3は版権が販売元のタイトーから日本フレックスに移りPSで発売する予定だったのだがその日本フレックスが倒産し発売中止(泣)その後版権がタイトーに戻り外伝が2作発売されたが、売り上げが今一つだったらしく今現在(05年4月現在)も発売される気配が無い。

しかし今では天外3、マザー3と完全に諦めていた作品が最近復活しているんだ。俺は僅かな希望を持ちつつ応援しているぞ





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